株式会社グラニフはデザインプロダクトの企画、製造、販売等を行う企業として、ブランド「graniph」を展開しています。“Graphic is My Life.”のブランドメッセージのもと、Tシャツなどの衣料品に留まらず、バッグなどファッション雑貨や、ホームグッズ、アウトドアグッズなど、様々なグラフィックアイテムを販売しており、国内に100店舗近いオフライン店舗とECサイトを運営しています。
今回は、同社がBraze×Amplitudeの組み合わせで販促効果を高めた事例をご紹介します。
同社の取り組みと成果について、株式会社グラニフ EコマースDiv.ゼネラルマネージャー 髙松 貴宏 様にお話を伺いました。
株式会社グラニフ EコーマスDiv.ゼネラルマネージャー
髙松 貴宏 様
- 課題
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- ユーザーの多様性に合わせた、顧客一人一人に最適な商品提案の実現
- 解決策
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- 日本初のBraze×Amplitudeの組み合わせによる、レコメンドの表示、セグメントを分けたマーケティング施策の実施
- 結果
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- 離反防止クーポン利用率が10倍になり、商品ページ回遊率は2倍に向上
グラニフのマーケティング戦略について
<髙松様>
私たち「グラニフ」は、2000年に東京の下北沢で「グラニフ1号店」をオープンし、 プリントTシャツの製造と販売からスタートしました。
長い期間「Design Tshirts Store graniph」として運営していたこともあり、世間一般では今でも「グラニフ=Tシャツ屋さん」というイメージを持たれている方も多くいると思っています。
Tシャツやスウェット、パーカーなどのキャンバスに、私たちのオリジナルキャラクターやコラボレーションのコンテンツを刺繍やプリントしたグラフィックアイテムは、長い間お客様からご支持いただいている「graniphらしい」アイテムです。
しかし、グラフィックの可能性はTシャツなどに留まらず無限にあると考えています。その様な思いから、私たちは2021年9月に「デザインTシャツストア」から「グラフィックライフストア」へとリブランドを実施しました。私たちがグラフィックを通してお客様にご提案するのは、ファッションだけではなくその先にある豊かな暮らしです。ホームグッズなど新たなカテゴリーのアイテムを提供することで、ご購入いただける点数や回数をもっと増やしていただけると思いますし、会社の成長という観点からも重要であると考えています。
現在、アパレルではアウターアイテムやバッグなどの展開を本格的に始めています。またキッチン用品やリビング雑貨、フレグランス、ハンドソープ、レイングッズ、アウトドアグッズなど様々なライフスタイル領域のアイテムを展開する「マルチカテゴリ戦略」を進めています。
マルチカテゴリ戦略を進めることで、変化したのはお客様の好みです。これまでお客様の好みは「Tシャツ」を中心とした限られたカテゴリーでしたが、現在ではお客様の好みが多様化しています。
つまり、従来であれば全てのお客様に「Tシャツをおすすめ」すれば、それほど狙いが外れることはありませんでした。しかし、ホームグッズを購入したお客様が必ずしもアウトドアグッズを買いたいと思っているとは限りません。
マルチカテゴリ戦略を進め、多種多様なお客様に対しての提案力を高めて、グラニフに行けば「自分の好きなものがいっぱいある」と思っていただくためには、データの活用が必要不可欠です。「いつ、どこで、どの商品を購入していただいたのか?」の購入情報をお客様一人ひとりに紐づけて保持・分析することで、お客様一人ひとりの好み(インテント)を推測し、マーケティング施策に反映することができます。
データの集約という観点では、ECサイトはどのお客様がどの商品をご購入いただいたかというデータが蓄積されていましたが、オフラインの店舗では会員化があまり進んでいなかったこともあり、データがあまり残っていませんでした。
そのため、アプリをリニューアルし、会員基盤をECとオフラインの店舗を共通化することにしました。お客様には店頭でお買い上げいただく際にアプリの会員証をご提示いただくことでポイントが貯まることを訴求しており、非常に多くのお客様にアプリ会員証をご利用いただいています。それによって、お客様一人ひとりの購入情報を活用するマーケティング基盤が整っていったのです。
数あるツールの中で、Brazeを採用した理由
<髙松様>
マーケティング基盤に蓄積されたデータを使って、メールやアプリのプッシュ通知でお客様にご提案する場合、CRMやMAのような自動化ツールが必要になります。もちろん沢山のツールを検討しましたが、その中でBrazeを採用した理由は2つあります。
1つはグラニフがやりたいことに対するサイズ感がちょうど良かったことです。他のツールだとリッチな機能が搭載されていたり、サポートが手厚かったりする一方で、価格が高いものもありました。Brazeはやりたいことと価格のバランスが非常に良いと感じました。
2つ目はリアルタイムな処理能力に優れているところです。グラニフのお客様の多くは店頭で購入されたお客様ですので、お店の近くにいらっしゃるお客様に、リアルタイムなアプリ通知などのアクションが取れることは処理能力に優れたBrazeの大きなメリットです。
そんな中で、SCデジタル様をご紹介いただき、導入後に活用支援のご相談をいたしました。Brazeの経験も豊富でスピーディーに対応が出来る、という点でSCデジタル様による支援が開始しました。
SCデジタルが語る、Brazeの活用支援
<SCデジタル 志村>
SCデジタルとしては、実際に運用していく際に必要になる操作マニュアルをお渡ししています。
こういったデジタルツール、特にMAやCDPなどのツールは、導入設計や活用が大変重要です。クライアントさまが日々ツールを使いこなしていただけるようにサポートするのが我々の役割だと考えています。
Brazeの魅力
マルチチャネル管理
<髙松様>
オフライン、EC、アプリ、SNS…顧客とのコミュニケーションチャネルは増える一方です。
お客様に向けたアンケート調査では、多くのお客様がLINEで情報を取得していることがわかりました。
そうなると、LINEのチャネルでコミュニケーションができないということは、お客様との接点を失うことになりかねない。そういう意味ではLINEも含めたマルチチャネルが使えるツールという点もBrazeの魅力です。
他ツールとの連携
<髙松様>
BrazeとAmplitudeについてはコネクタを用いて簡単に連携できたのもポイントでした。
グラニフがBrazeとAmplitudeを併せて使う価値として考えていたことの一つは、行動データを活用した顧客セグメントを作ることです。 行動データの活用において、例えば商材として帽子があるとすると、全員に配信するのではなく、「帽子のページを見たことがあるセグメント」や「帽子をカートに入れたことがあるセグメント」のお客様に配信したほうが、お客様の好みに合った情報をお届けすることができます。こうした「好みの情報が届く」体験を積み重ねていただくことで、「グラニフには自分の好きなものがいっぱいある」と感じていただけると考えています。まだまだ一斉同報の配信も多いですが、徐々に一斉同報を減らしていきたいと考えています。
また、MetaやGoogleなどのWEB広告についても、例えばAmplitudeで「アニメのコラボ商品が好きな会員」のセグメンテーションを作成し、WEB広告側にオーディエンスリストを作成、類似拡張したターゲットに広告配信をすることで、大きな効果が得られました。
デジタルクーポンの利用率が10倍に!?Brazeの活用実績
<髙松様>
Brazeの活用を実施してから、デジタル提供の「離反防止クーポン」を利用して購入いただけるお客様が前年と比べて、10倍になりました。Brazeを導入していなければ、達成できなかっただろうと思いますので、良かったと思っております。
また、レコメンデーションの導入によって商品ページへの回遊率が2倍になりました。
商品を見ていいなと思っても、購入までは至らないお客様もいますが、そこにレコメンデーションが入ることで他のページに回遊することが増えたのだろうと考えています。
内製化を見据えたSCデジタルの伴走支援
<髙松様>
伴走支援についてですが、SCデジタルさんが150ページもある運用マニュアルを作ってくれました。
私たちの社内にBrazeのエキスパートが居るわけではないので、支援後の自走に少し不安はありましたが、手厚い資料を作ってくれたこともあり、Brazeについてかなり理解ができました。
似たような施策を複製するとか、ちょっとした修正をするというのは自分たちで内製化できています。
BrazeはUIが非常にわかりやすく作られています。シンプルな分岐を作成してアクションを作成するだけなので、使いやすく助かっています。
これにSCデジタルさんのマニュアルが加わったことで、かなりスムーズに運用を進めることが出来きています。
今後の展望について
<髙松様>
私達は「適切なお客様に、適切な内容を、適切なタイミングでお届けする」ことが「お客様の心地よい体験」につながると考えています。
マルチカテゴリ戦略・マルチチャネルでのCX最適化は進めていますが、今できていることは一部分だと思っています。
ECサイト側にはたくさんのデータがありますので、もっと活用してパーソナライズされた情報をお届けしたいと考えています。 Brazeを順調に運用することができているため、今後もしっかりと「お客様に喜んでいただける施策」を増やしていきたいと考えています。
終わりに
今回は株式会社グラニフ様にインタビューを実施させていただきました。
SCデジタルでは、Brazeの導入・活用支援はもちろん、企業様の実情に沿った運用マニュアルの作成まで寄り添ったご支援が可能です。
「Brazeを導入したいが社内リソースだけでは導入が難しい」
「ツールを利用しているが、成果につながらない」
「コンバージョンを増やしたい」
「これからCRMを強化していきたい」
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