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MA(マーケティングオートメーション)とは
マーケティングオートメーション(以下MA)とは、「マーケティング施策を実行するための作業を自動化する」概念です。そして、このMAの概念を形にしたデジタルツールがMAツールです。
MAツールは、マーケターが担う「見込み客を獲得し、各種チャネルからのメッセージ送信や自社サイトへの誘導といった施策を通じて、見込み客の購買確度を高め、適切なタイミングで商談へ誘導するまでの一連の業務」を自動化によって効率化してくれます。
MAツールの主な機能
MAツールには、マーケターの業務を効率化するために次のような機能があります。
- 見込み客管理機能
- キャンペーン設計機能
- スコアリング機能
- フォーム・ランディングページ作成機能
- 通知機能
- パーソナライズ機能
- トラッキング機能
- メール作成・配信機能
- レポート機能
MAツールによっては、上記のうち一部機能を含んでいないツールや、上記以外の機能も備えているツールもあります。
例えば、Salesforce Marketing CloudにはメールやSNSだけなく、プッシュ通知やアプリプッシュ・デジタル広告などさまざまなメッセージチャネルを標準で備えています。
MAツールごとに特徴が異なるので、自社のビジネスモデルや課題に応じてツールを選択していく必要があります。
MAツールで実現できること
MAツールを利用することで、マーケターは見込み客を商談につなげるまでの「見込み客の獲得・育成・評価、そして活動全体の管理・分析」を効率的に行うことが可能となります。
見込み客の獲得(リードジェネレーション)
まずは、見込み客の情報を集めるところからスタートします。このような見込み客の情報を獲得していくことを「リードジェネレーション」と呼びます。
ここでいう見込み客の情報は、メールアドレスや個人情報です。特にメールアドレスは、次のプロセスである見込み客の育成でも必要になってくるので、積極的に収集していきます。
こうした情報をMAツールに収集していくためには、営業担当が個人で管理している名刺など、社内に点在している見込み客情報をMAツールに集約したり、ホワイトペーパーなどのコンテンツダウンロード用フォームを作成することで外部から収集したりしていきます。
見込み客の育成(リードナーチャリング)
リードジェネレーションによって獲得した見込み客の中には、「今すぐは必要としていない」などの理由から、現時点では購買意欲が低い見込み客も含まれます。
そこで、次に行っていくステップは、「育成」すなわち「リードナーチャリング」です。メールやSNSなど、複数のチャネルを活用しながら、見込み客に対して情報発信を行うなどして見込み客の購買意欲を高めていきます。
とはいえ、ただ情報発信を行っていくだけならわざわざMAツールを用意する必要はありません。
MAツールのトラッキング機能を活用することで、見込み客が自社サイト上でどのような行動をとっているか、Web上の行動履歴を確認することができます。
これによって、見込み客にとって関心の高そうな情報を適切なタイミングで発信することが可能になります。
また、パーソナライズ機能によって、見込み客から獲得した情報をもとにメッセージやWebコンテンツを出し分けすることも可能なため、見込み客に合わせた情報発信を行うことができます。
見込み客の評価(リードクオリフィケーション)
リードナーチャリングによって、購買意欲が高まったかどうか、また、商談につながりそうか見込み客を評価していく必要があります。
こうしたプロセスを「リードクオリフィケーション」と呼びます。リードクオリフィケーションを実行していく上で、MAツールのスコアリング機能を活用していきます。
スコアリング機能によって、獲得した見込み客の情報やトラッキング機能によって記録された行動履歴に対して、スコアが加算されたり、減算されたりします。例えば、メールを開いたら「プラス10点」あるページを閲覧したら「プラス5点」といった具合です。
見込み客の点数が分かることで、これまで把握が困難だった見込み客の状況が分かります。その結果、営業担当者は商談につながりやすい見込み客に対してアプローチができるようになります。
また、通知機能によって、見込み客が一定のスコアに達した段階で、営業にアプローチする指示のメールを自動で送信することもできます。
活動全体の管理・分析(リードマネジメント)
リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションという、見込み客の獲得から商談につなげるまでの一連のプロセスをMAツールで行う流れを見てきましたが、最終的には、これらのMAツールを活用した施策や業務を分析していく必要があります。
これを「リードマネジメント」と呼びます。
MAツールのレポートティング機能によって、見込み客のスコア動向の分析や、チャネルごとの配信分析、マーケティング指標の分析などを行うことができ、今後の施策改善につなげることができます。
このように、MAツールを活用することで、見込み客を商談につなげるための一連のプロセスを効率的に実行するとともに、マーケティング活動のPDCAを回すことも可能となります。
最後に
MAツールが、多様な機能によって見込み客の獲得から育成・商談へ誘導するまでのマーケティングプロセスを効率化してくれることを紹介してきました。
もちろん、すべての機能を完全に使いこなす必要はなく、自社が見込み客を商談につなげるにあたってどこに課題があるかを把握したうえで、段階的にMAツールの機能を活用していくだけでも十分に効果を発揮します。
少しでもマーケティングのプロセスを改善していきたい方はぜひ活用してみてください。
この記事の執筆者
サービス本部
マーケティングオペレーション マネージャー
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