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CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは
「CDP」は、Customer Data Platformの頭文字をとって作られた略称です。単語から推測される通り、顧客に関するデータを蓄積し、そのデータを活用するためのプラットフォーム(基盤)です。では、なぜ顧客に関するデータを分析したいのでしょうか?マーケティングをする際に、顧客に関するデータを分析することによって、以下のようなことを理解することが可能になります。
- 顧客が欲しい情報、もしくはこのお客様に届けたい情報は何なのか
- 顧客が情報を受け取れる適切なチャネルは何なのか
- 顧客が情報を受け取れる適切なタイミングはいつなのか
上記のように、マーケティングをする上でとても重要となるデータの整理を支援してくれるマーケティングツールです。CDPで顧客に関するデータを一元管理し、MAなどの他のシステムにデータを連携することで、ひとりひとりに適切なマーケティング施策を実行することが可能になります。
なぜCDPが必要なの?今CDPが注目される背景
CDPが注目されている背景には、大きく分けて3つの理由があります。1)One to Oneマーケティングに対する取り組みの加速、2)インターネットの普及による顧客の購買行動の変化、そして 3)システムごとの個別最適化によるデータのサイロ化です。これらの変化に対応するために、顧客に関するデータを蓄積し活用するためのCDPが注目されています。
1.One to Oneマーケティングに対する取り組みの加速
One to Oneマーケティングとは、全ての人に同じマーケティングを行う(=マスマーケティング)のではなく、顧客の購買行動やWebやアプリなどの行動履歴などから顧客ひとりひとりの趣味・嗜好を把握して、顧客に合わせた最適なマーケティング活動を行うことです。
インターネットの普及によりネット活用が進むデジタル時代においては、顧客の行動から多くのデータを収集できるようになっています。商品の多様化も進む中で、自社のサービスや商品に関する適切な情報を届けるために、顧客の趣味・嗜好に合わせたマーケティング活動をすることの重要性は高まっています。
<One to Oneマーケティングの適用例>
- レコメンデーション
- リターゲティング広告
- ランディングページ最適化(Landing Page Optimization)
- メール配信
- パーソナライズDM
- 複数のデバイスとチャネルのコントロール など
2.インターネットの普及による顧客の購買行動の変化
従来であれば、店舗に来てくれた顧客の要望を聞いて、適したものをお勧めできていましたが、デジタル時代の今は、インターネット上での購入が主流となりつつあります。そのため顧客とのリアルな接点が少なくなり、顧客がどのような趣味・嗜好なのかを掴みづらくなっています。なので、顧客をより深く理解し、適切な情報を提供するためにも、CDPを導入してデータを活用することが必要なのです。
3.システムごとの個別最適化によるデータのサイロ化
One to Oneマーケティングに対する取り組みの加速に伴い浮き彫りになってきたデータのサイロ化は、多くの企業が抱えている課題の一つです。
データがサイロ化してしまう理由としては、縦割り組織によるデータのサイロ化と、ツールやシステムごとのアーキテクチャによるデータのサイロ化の2つが考えられます。データがサイロ化してしまっては、お客様を十分に理解して適切な情報を届けることができません。そのため、顧客に関するデータを統合的に蓄積し、顧客を理解したマーケティング活動を助けてくれるCDPへの関心が高まっています。
CDPってどんな機能を持ってるの?CDPの主要な機能
CDPの基本は大きく分けて以下の4つです。
Ingestion:動的データの取込み
基幹システム、CRM、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールやといったさまざまなシステムに加え、オンライン上での行動履歴などあらゆる顧客情報を収集します。
Unifying The Customer Record:統合・プロファイル管理
過去に購入した商品や閲覧したWebページ、クリックした広告など多種多様なデータソースからの顧客データを統合し、ひとりの顧客としてプロファイルを作ります。
Intelligence And Decision Making:洞察と意思決定
機械学習などを用いて顧客データを分析します。チャネル横断で顧客をより深く理解し、分析したトレンドや相関関係を活用して顧客をセグメント化、適切なセグメントに適切な情報を届けることによって顧客へのアプローチ精度を高めます。
Activation:アクティベーションとチャネルオーケストレーション
Web上の顧客行動などをダイナミックに反映した顧客のプロファイルデータをMAやWeb広告など様々なマーケティングシステムに連携し、顧客ひとりひとりに適した情報を、最適なチャネルやデバイスで、最適なタイミングで提供することが可能となります。
まとめ
CDPを活用することで、顧客のニーズや趣味・嗜好をより深く理解して、ひとりひとりに最適なマーケティング活動を行うことが可能となります。
ただし、CDPを導入する際は必ず目的を明確にし、目的に合ったCDPを選択することをお勧めします。まだ目的が明確になっていない場合は、初期投資を抑えて小さく始めることも可能です。顧客に寄り添ったマーケティングのために、何がしたいのかをぜひ考えてみてください。
この記事の執筆者
営業本部
ストラテジックパートナーシップ マネージャー
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