前回に引き続き、Account Engagement(旧Pardot)の概要についてご説明をしていきます。
(前編はこちらからご確認ください)
目次
リード管理
それでは早速、リード管理に関してご説明します。Pardotでは主に、スコアリング、グレーディングを使用してリード管理をしていきます。
1.スコアリング
Pardotにおけるスコアとは、プロスペクトが実行した行動に基づいて付与される数値のことです。この数値を活用することで、プロスペクトがどの程度自社の製品やサービスに興味をもっているのか、あるいは興味をもっていないのかを図る指標として活用します。
Pardotでは、既にデフォルトでスコアリングモデル(行動毎におけるスコアの設定値)が設定されているため、そのままでも十分活用することができます。しかしながら、特定の行動を起こしたプロスペクトには、スコアをさらに追加したいなどの要望が発生することもあるかと思います。そのような場合でも、複雑な設定は不要で、Pardot内の設定から簡単にスコアリングモデルを変更することができるため、非常に使いやすい設計になっています。
2.グレーディング
スコアリングの説明を読まれた方の中には、「スコアリングだけで十分対応できるのではないか」と考えた方もいらっしゃるかと思います。ところが、Pardotにはグレーディングという機能があり、リード管理を更にサポートしてくれます。
グレーディングでは、プロスペクトの自社製品やサービスへの関心度をFからA+の13の指標(以下グレードとする)として示すことができます。
また、グレードはデフォルトでは「D」から始まりますが、プロファイルというものを活用することで、プラスやマイナスのグレーディングをすることができます。プロファイルには、重みを設定することができ、会社の規模や役職、部署や業種などデフォルトのものから、自社特有の基準をカスタムプロファイルとして設定することができます。この設定を活用することで、自社の製品やサービスにとって理想的なプロスペクトと不適格なプロスペクトを明確に区別することができるようになります。
そのため、営業側とマーケティング側でリードの品質をすり合わせることが可能となり、マーケティング施策における部署毎での評価の乖離を埋めることができるのです。
例えば、上記スコアリングとグレーディングを活用することで、スコアが80ポイント以上でグレードがA以上をリード評価の閾値とするなど、定量的な評価を実施することができるようになります(このプロスペクトをオートメーションルールというものを利用して、営業チームに自動で割り当てることもできます)。
その結果、正しくPDCAサイクルを回すことが可能になり、より効果的な営業活動やマーケティング活動を実現させることができるのです。
メールマーケティングの活用
その一つの手段として、メールマーケティングは旧来から存在していますが、現在でも効果的な方法として挙げられているかと思います。
というのも、対内的なコミュニケーションだけではなく、対外的なコミュニケーションの方法としてチャットの活用も普通のものとして受け入れられるようになったものの、まだまだ主流なコミュニケーション方法としてメールは存在しており、ビジネスにおける重要なツールであるため、マーケティング戦略においても重要な位置付けであるのです。
Pardotを活用することで、この重要だと言われているメールマーケティングを自動化することができ、多大な労力も削減することが可能となります。
例えば、Partdotではメールのテンプレートを作成することができますが、通常は、ある程度凝ったデザインにしようとするとデザイン性やコードの知識が必要になります。Pardotでは、豊富なライブラリから状況に応じて必要なレイアウトを選ぶことができ、最適なレイアウトを選択することで、デザインやコードの知識がなくても簡単にデザイン性と訴求効果を最大限にするメールを作成することができるのです。
上記に加え、現在ではPCではなくモバイル端末でメールを閲読するターゲットが増えており、レスポンシブの対応も重要な要素となっています。このレスポンシブ対応に関しても、CSSの知識がなくても対応可能なテンプレートも用意されています。
また、最近ではパーソナライズもマーケティングをする上で重要な要素になっています。Pardotでは数回の動作で簡単にパーソナライズに必要な変数タグというものを挿入することができ、メールマーケティングへのハードルを低いものにすることを実現しています。
Engagement Studioの活用
最後に、Engagement Studioの活用についてお伝えします。
Engagement Studioはアクション、トリガー、ルールといった機能を活用することで柔軟性に優れたEngagementプログラムを構築することができます。
例えば、「プロスペクトがメール内に含まれる特定のリンクをクリックしたら営業担当者へ通知する」「メールを開封しなかったプロスペクトに対しては、追加で別のメールを送信する」など、上記機能を活用することで「一つのシナリオ上で複数の動きを表現すること」「複数のカスタマージャーニーを作成すること」ができるのです。
また、Pardotではプログラム全体の概要データとプログラム内で使用された特定のアクション、ルール、トリガーのデータが集計されるため、これらを使用してEngagementプログラムがうまくいったのか、それとも失敗したのかを判断することができます。
マーケティング施策が最初から成功することは多くはないため、このようなデータが個別具体的にかつ簡単に確認することが可能となり、PDCAを高速で回すことができることはマーケターにとって大きなメリットと言えるでしょう。
2回にわたって、Account Engagement(旧Pardot)の概要についてお伝えしてきました。Salesforceとの連携も簡単に実装することができ、マーケターの施策実現を強力にサポートしてくれるツールですので、これからMAの導入を検討している方はAccount Engagement(旧Pardot)も検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
営業本部
カスタマーリレーションズ マネージャー
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