現在、世の中には数多くのマーケティングDXツールがあります。マーケティングにおける様々な作業を効率化・自動化してくれる素晴らしいツールです。一言でマーケティングDXツールと言ってもCRM、MA、SFA、BI、Web接客など多岐にわたり、すでにいくつかのツールを導入している企業もあると思います。
しかし導入後、実際の運用をしていく中で困っているという声を聞くことも増えてきました。
「導入しているけれど、うまく使えない。」
「効果の検証や改善ができていない。」
こういった運用の部分で発生する課題や問題と、解決のためのポイントについて本記事ではまとめさせていただきます。
目次
導入後に困るポイント
ポイント①:運用できるスキル・知識をもつ人材の不足
この人材不足に悩んでいる企業はおそらく一番多いと思います。事実、帝国データバンクが出しているDX推進に関する企業の意識調査(2022 年 9 月)によると「対応できる人材がいない」、「必要なスキル・ノウハウがない」と答えた企業が4割以上もあるとのことです。ツールを運用する、戦略を練る、コンテンツを企画・作成するなど、導入後にさまざまな部分で発生する作業や対応ができる人材がおらず、導入しても結局使えず放置してしまうパターンも珍しくはないです。
ポイント②:効果を感じられていない
ツールの導入までに、比較や相見積もり、ROIなど複数の検討フェーズを経て稟議が通り、導入まで辿り着き、「さぁ、これからスタート」と期待に胸を膨らませますが、当初想定していた効果が出ないというケースもよく見受けられます。
こういったツールは導入後、すぐに効果が得られるものではありません。日々データを見ながらPDCAを回して改善を重ねていく必要があります。ただ、導入前に明確な目標やKPIを設定できておらず効果を感じられないというケースもあるようです。明確な数値目標を定めずに運用し、成果はおろか改善点すらわからないという場合もあるので注意が必要です。
解決のために
先述した、導入後に困るポイントを踏まえ、解決のために重要だと考えるポイントをいくつあげましょう。
ポイント①:ペルソナ・カスタマージャーニーの設計
「ペルソナ(persona)」とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、マーケティングにおいて活用される概念です。そして、カスタマージャーニーとは、ペルソナが製品・サービスと出会い、そこから購入・契約に至るまでの道筋を行動や思考、感情などを時系列順に可視化したものを指します。これらを作成することで、リードとのタッチポイントや感情が予測できるので、具体的なマーケティング施策やツールが必要なシーンが出やすくなります。
ポイント②:具体的な目的、KPIの設計
これはどの仕事でも言えることかもしれませんが、今回達成したいこと、モノは何か、どれだけ達成したいのかということを具体的にしておく必要があります。
- どの部分で
- 何を達成するために
など、具体的であればあるほどマイルストーンやKPIが設定できます。
MAなどのマーケティングDXにおいて、データをためて、PDCAを回して常に改善することはかなり重要です。そのためには、目標やKPIを設定してPDCAを回していける状況を作っておくことです。
ポイント③:ベンダーサポート、外注の利用
「先述したポイントは分かっているが、何からどう手をつけたらいいか分からない」という企業は多く、相談しようにも人材がいないという声も聞きます。そういった場合は、ベンダーのサポートを利用することをオススメします。
要件の整理から運用の伴走支援など幅広くサポートをしている企業は多く、これらを利用することで定着の加速から売上の向上まで効果を得られることもあります。また、支援をしてもらいながら活用方法や考え方がわかるようになれば、徐々に内製化へ向かうこともできるようになります。
最初に費用こそかかりますが、マーケティングDXを加速させ定着させることを考えるのであれば、こういったベンダーのサポートを活用するのは選択肢として持っておく方がよいでしょう。
この記事の執筆者
サービス本部
マーケティングコンサルティング マネージャー
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