KARTEを駆使してコンテンツマーケティングを次のレベルへ

三菱電機株式会社は、産業用ロボット、空調冷熱機器、半導体、人工衛星など非常に幅広い分野で事業を展開している総合電機メーカーです。同社は自社で手がける数多くの製品・ソリューションの認知を広げるために、オウンドメディア「Biz Timeline(ビズタイムライン)」を2018年より運営しています。本メディアでは、同社の製品・ソリューションの魅力やベネフィットだけでなく、多種多様なものづくりを行っている三菱電機ならではの視点から社会課題や経営課題をトピックとしたビジネスに役立つ情報を発信しています。

そのようななかで課題になっていたのが、広告に依存しないオーガニック来訪者の獲得です。

UXを向上させ、Biz Timelineのファンを増やすためKARTEを導入し、当社・SCデジタルが2023年1月よりご支援しています。

今回は、三菱電機株式会社の宣伝部ビジネスコミュニケーション1グループに所属しBiz Timeline運営に携わる、原田幸洋様と小泉華音様にKARTE導入の成果やSCデジタルに対する評価、そして今後の展望をお聞きしました。

※UX…User eXperience(ユーザーが得られる体験)

三菱電機株式会社 宣伝部 ビジネスコミュニケーション1グループ 専任

原田 幸洋 様(写真左)

三菱電機株式会社 宣伝部 ビジネスコミュニケーション1グループ

小泉 華音 様(写真右)

「ニュースサイトにはない魅力」を打ち出すBiz Timelineのコンテンツマーケティング

<原田様>

Biz Timelineでは、20代後半~40代前半の、さまざまな情報への収集意欲や感度が高く、自分なりに考える意識や志向がある、職場の中堅・若手リーダー的な存在を「ゴールドカラー層」と独自に定義し、メインターゲットとしています。

※同社の製品・ソリューションの魅力やベネフィットだけでなく、多種多様なものづくりを行っている三菱電機ならではの視点から社会課題や経営課題をトピックとしたビジネスに役立つ情報を発信している Biz Timeline

なぜゴールドカラー層をメインターゲットとしたかというと、ゴールドカラーは仕事に対して前向きに取り組んでいる人が多く、当メディアの内容を参考にしてさらにビジネスをグロースさせる力をもっているためです。また、ゴールドカラーは管理職で意思決定権をもっている人や、自身は管理職ではなくても決裁者に意見できる人であり、三菱電機の製品・ソリューションに興味をもってもらえれば導入に進みやすくなるであろうという意図もあります。

こうした背景があり、Biz Timelineではゴールドカラー層が興味をもちやすい社会課題や経営課題などのニュースをピックアップし、その課題を解決するための方法として当社の製品・ソリューションを活用した解決策を提供する記事コンテンツを充実させています。

これは、ニュースを伝えることに特化した一般的なニュースサイトや新聞社のメディアとは異なり、幅広い製品・ソリューションを扱う当社ならではの魅力だと思っています。

そして、それぞれの記事コンテンツで課題解決策について理解を深め、当社製品の予備知識を身につけていただいた段階で、関連する製品・ソリューションを紹介する事業サイトへと誘導します。この「事業サイトへの送客」という点が、Biz Timelineの大きな役割の一つです。

KARTE導入の決め手は「ユーザーのファン化」への期待

<原田様>

事業サイトへの送客がBiz Timelineのミッションの一つではありますが、「それではBiz Timelineの集客はどうなのか」と問われると、実は集客面で大きな課題があったのです。それが、広告への依存度の高さでした。リスティング広告をはじめとするWeb広告からの流入が圧倒的に多かったため、広告を止めた途端にセッション数が一気に下がってしまうという課題があったのです。

この状況を打開すべく、広告を止めても一定数のユーザーが訪問してくれるよう、オーガニックからのセッションを増やす仕組みづくりが必要でした。もちろん初回訪問は広告経由でも構わないのですが、初回訪問で「このサイトにまた来たい」と思っていただきファン化させることが重要です。

ファン化のためには何をすべきか考えたとき頭に浮かんだのが、一人ひとりのユーザーに最適な情報を発信する「1to1マーケティング」でした。今まではすべてのユーザーに画一的な情報発信となっていたため、ユーザーによっては必要のない情報が届いている状況で、成果につながっていませんでした。

そういった時に、KARTEの存在を知りました。リアルタイムでユーザーの状況を把握して最適なアプローチができるKARTEなら、我々の課題を解決できるのではと思い、導入を検討し始めました。

KARTE導入に向けて検討を進めていく中で、KARTEの初期設定・運用・分析・検証のノウハウがなく、最大限に使いこなせないのではないかという懸念点がありました。もともと他社のMAツールを導入した際にも同じような懸念点があり、パートナー企業に支援していただいて成功した経験もあったため、KARTE導入時にもパートナー企業の存在は必要だと感じていたのです。

そこでKARTEを提供するプレイド社へ相談したところ、Webマーケティングの専門的な視点でKARTEの運用をサポートしてくれるというSCデジタル社を紹介していただきました。SCデジタル社は多様な企業への支援実績も豊富だったため、信用できると感じて支援を依頼しました。

KARTEで実現するユーザーエクスペリエンス向上

<小泉様>

現在はKARTEを活用し、複数の施策が並走しています。一つは、Biz Timelineのミッションである「事業サイトへの送客」を実現するための施策です。

三菱電機の製品・ソリューションによる課題解決を訴求する記事コンテンツを閲覧しているユーザーに対し、関連する事業サイトに遷移するためのポップアップを表示しています。また、Biz Timelineには当社製品に絡めない一般的なビジネストレンドを扱う記事コンテンツもあるのですが、そうした記事コンテンツを閲覧しているユーザーに対しては、Biz Timelineならではの記事コンテンツに遷移していただくためのポップアップを表示する施策を行っています。

そしてもう一つの主な施策が、1to1マーケティングを実現するための施策です。

それぞれの記事コンテンツにはキーワードを設定しており、どのユーザーがどのキーワードのコンテンツを閲覧した履歴があるか管理しています。そして次に訪問した際、以前閲覧した記事コンテンツに紐づいたキーワードのデータから、関連する他の記事コンテンツをトップページでレコメンドします。

この仕組みにより、各ユーザーの興味・関心に合わせた記事コンテンツを提供できるようになり、ユーザーエクスペリエンスを向上させてファン化を目指しています。

KARTEポップアップの効果で送客率81.7%向上

<小泉様>

そもそも当社にはKARTE運用のノウハウがなかったため、SCデジタル社には初期構築から支援していただきました。どのような頻度やタイミングでポップアップを表示すべきか、ターゲットをどのようにセグメンテーションするのか、といった設計や、KARTEへの設定サポートなどです。

KARTEに実装して運用しているなかでも、さまざまな面でアドバイスをいただきました。たとえばSCデジタル社が主導し、ポップアップを表示した場合と表示しなかった場合では、事業サイトへの送客率がどのくらい違うかABテストを行いました。

コンテンツによって成果にはバラつきがあったものの、最も効果が高かったコンテンツは送客率が81.7%向上していて、SCデジタル社の助言をもとにKARTEを有効に活用したことで大きな成果につながったと考えています。

他にも、「この施策はこれだけ効果が出ている」といった事実だけでなく「数値が低下しているのはこういう原因があるため、次はこうしてみよう」といった、原因特定と改善提案までしていただけるため非常に助かっています。

また、KARTEを運用している中で、他にもさまざまな施策をしたいという気持ちが芽生えてきますが、私たちは実行するノウハウがないために既存施策との干渉が生じかねません。しかしSCデジタル社が俯瞰的な視点で見てくださり、他施策と干渉しないように施策の頻度や優先度などを設定してくれました。

<原田様>

私は、SCデジタル社の対応スピードや提案内容を評価しています。

以前、ポップアップでうまくリンクが表示されないというインシデントが発生した際、私たち自身で原因を調査したのですが専門的なノウハウがないため、どうしても原因特定ができませんでした。しかしSCデジタル社に相談したところ、早急に原因を特定してくれたため、スピーディにリカバリーができました。

さらにそのとき、KARTEでどのような設定をしたら良いのかという対応策だけでなく、Biz Timelineのメディア自体の対応策もご提案くださいました。KARTEの導入支援だけでなく、広い視点で「メディアとしてどう成果を出していくべきか」というところまで伴走してくれているため、ITコンサル的な役割も担ってくださっていると思っています。

KARTEのPDCAのみならず、メディア全体のPDCAまでサポートしてくれているのは、SCデジタル社ならではの強みなのではないでしょうか。

今後は広い視点でのマーケティング支援を期待

<小泉様>

現状のBiz Timelineでは「事業サイトへの送客」をKPIとして設定しています。しかし今後は三菱電機のブランディングの役割を担うメディアへとグロースさせていきたいため、KPIの再設定が必要かと思っています。SCデジタル社にサポートしていただきながら、事業サイト送客だけでなく、BizTimelineサイト内をより回遊してもらうための施策の検討も進めています。

<原田様>

KARTEの利用は「目的」ではなく、メディアで成果を出すという目的を達成するための「手段」であることは忘れてはなりません。そのうえで、現在はKARTEを活用した「個別最適」な施策にとどまっているところを、今後は一歩先に進み、メディア全体のCXの再設計という「全体最適」な施策まで広げて実行していきたいと考えています。

そのため最近では、Biz Timelineが現在どのような状況になっていて、今後どうしていきたいか、といったといった「As-Is / To-Be」を再定義し、理想と現状のギャップと課題を洗い出している最中です。KARTEには、現在当社で利用している機能の他にも多くの機能が搭載されているため、KARTEの機能を把握して当社の課題解決にどのように活用できるか考えていきたいです。

理想に近づけていくためにはKARTEだけで解決できないこともありますが、SCデジタル社のマーケティングに関するノウハウや視点から総合的にサポートしていただければと考えています。

終わりに

サイトへのリピート訪問や事業サイトへの送客に課題を抱えていた三菱電機株式会社ですが、KARTEの機能を活用した1to1マーケティングにより、着実に成果へとつながっています。今後はさらなるメディア発展のため、当社・SCデジタルにはKARTEの活用だけでなく総合的なマーケティング支援に期待しているとのお言葉もいただきました。

SCデジタルでは、ツールの導入・運用支援やWebサイトの運営といった具体的なご相談から、Webマーケティング全体に関する抽象度の高いご相談まで、幅広くご対応が可能です。

「KARTEを導入したい」

「ツールを利用しているが、成果につながらない」

「Webサイトのコンバージョンを増やしたい」

「これからWebマーケティングを強化していきたい」

このようなお悩みをお持ちのご担当者様に向け、手軽にオンラインでアドバイスを受けられる無料相談会を実施しています。ぜひこちらからお申し込みください。

事例一覧に戻る

CONTACT お問い合わせ・ご相談

当社への取材・採用・協業などに関するご相談、
ご質問はこちらからお問い合わせください。