マーケティング施策の基本!顧客を魅了し、成功へと導く道筋
- 更新日
- 2026年08月14日
- 顧客課題
- # 戦略検討 # 比較/検討 # 興味/関心 # 認知 # 購入/契約/申込
- サービス
- # ビジネスコンサルティング # Salesforce # トレジャーデータ # Braze # HubSpot # Amplitude # SNS運用 # 広告運用

こんにちは、SCデジタルです。
2026年9月16日(水)、米国ボストンで開催のHubSpotの年次カンファレンス「UNBOUND 2026」の基調講演に参加しました。会期は9月18日(金)までの3日間です。
今回の基調講演では、年2回の製品アップデート発表のうち、秋にあたる「Fall 2026 Spotlight」の内容とともに、HubSpotが考えるAI活用の方向性が紹介されました。
本記事では、会場で印象に残ったメッセージや空気感と、マーケティングコンサルタントとしてHubSpotを用いたご支援をする立場として気になった箇所を紹介します。
各機能の詳しい説明は公式のSpotlightページに譲り、現地で見聞きしたことを中心にお伝えします。
私はHubSpot Community Championとして活動しているご縁でお声がけいただき、「Spotlight Cam」という演出に参加しました。基調講演前、Kyle CookeのDJをバックにバルーンアーチをくぐると、MCが私の紹介文を読み上げ、歩く様子がメインスクリーンに映し出されました。紫の照明の下では、スタッフの皆さんがハイタッチで迎えてくれました。
すぐ後ろではサックスのセッションもあり、「これは2日目の夜ではないよな……?」と思うほどの盛り上がりでした。貴重な体験をさせてくれてありがとうございました。
なお、今年はSCデジタルからの参加が私一人だったので、スクリーンに映った自分の写真はありません。

Yamini Rangan CEOの講演で最初に紹介されたのが、AIの利用と企業の変革に関する数字でした。
(アメリカ)企業の90%がすでにAIを使っている一方、実際に業務変革につなげられたのは6%にとどまる、という説明です。
日々AIを使っていると、活用すること自体が目的になっていないか、と考えさせられます。ツールを使うことと、業務や成果が変わることは別である。この差をどう埋めるかが、今回の講演の出発点でした。
HubSpotはそのうえで、次の3つの成果を示しました。
Spotlightの発表も、この3つに沿って整理されていました。「Marketing Hubに何が追加されたか」ではなく、「需要を創出するために何ができるか」。機能の紹介の前に、製品がどのような思想で開発されているかを話す講演のため、聴講者も非常に集中していました。
今回、特に印象に残ったのが、「Many popular use cases drive low value」というスライドです。

スライドには、次のような業務が並んでいました。
| 需要創出(Build demand) | 受注(Win deals) | 顧客満足度の向上(Delight customers) |
|---|---|---|
| コンテンツを作る | 営業メールを送る | ミーティングの準備とフォローアップ |
| コンテンツを更新する | リソースを計画する | 契約更新・アップセルを促進する |
| 市場と競合を調査する | 意思決定者を見つける | 相手に合わせたメールを送る |
私がここで受け取ったのは、「これらの業務にAIを使っても意味がない」という話ではありません。同じような指示から、同じようなコンテンツを作るだけでは、顧客に選んでもらう理由になりにくい、ということです。
その違いをつくるものとして、講演で繰り返し出てきたのが「コンテキスト」でした。ここでは、自社の強みや訴求したいこと、対象とする顧客像、チームの仕事の進め方など、AIが判断するための前提情報を指します。
今回のメッセージを表すのが、「コンテキストで実現。成果で証明。」(Proven by outcomes. Powered by context.)という言葉です。新しく紹介された「コンテキストホーム」は、HubSpotが把握している自社の情報を、1か所で確認・編集するための機能です。
AIに何を指示するかだけでなく、AIが自社や顧客をどこまで理解しているか。そのための情報をCRMに蓄積し、活用できるようにすることが、今回の発表の重要なポイントだと感じました。
続いて登壇したのは、Chief Product & Technology Officer(CPTO)のDuncan Lennox氏です。
需要創出のパートでは、「Do you know where you are?(自分たちが今、どこにいるか分かっていますか?)」という問いが投げかけられました。
私は、自社のマーケティング活動がどの段階にあり、どこで止まっているのかを把握できているか、という問いだと受け取りました。
そのうえで示されたのが、需要創出の流れを表したスライドです。

機会を見つけ、戦略を立て、コンテンツなどを制作する。キャンペーンを実施し、見込み顧客を育成し、業務に合わせたカスタムエージェントを展開する。
これらをHubSpot上でつなげて進める姿が紹介されました。コンテンツ制作だけを切り出してAIに任せるのではなく、需要創出の流れ全体で活用する、という考え方です。
この流れの中で紹介されたのが、「マーケティングスタジオ」です。
AIが課題を見つけ、対応案を提案し、実行につなげる。ブランドやセグメントの情報をもとに、キャンペーンのターゲット設定やコンテンツ制作を支援するものとして紹介されました。
調査や戦略づくりにかかる時間も減らせるという説明には、コンサルティングに携わる立場として、正直、少し身構えました。
ただ、調査や戦略そのものが不要になるという話ではなく、AIが担える作業が増えるということだと受け止めています。その分、私たちは何を判断し、どこで専門性を発揮するのか。自分たちの仕事も見直す必要がありそうです。
また、コンテンツエージェントでは、AI検索への最適化に関する推奨事項も紹介されました。ChatGPTなどを経由した流入を意識しながら、見込み顧客に届けるコンテンツの幅を広げ、成果を確認していく。ここも、実際の運用で確認したいところです。
受注につなげる「Win deals」のパートでも、営業活動の流れに沿って機能が紹介されました。

購買に関わる人を把握し、商談内容を記録する。その情報をCRMに反映し、案件状況のレポートや資料を作成する、という流れです。
私が気になった印象的な機能は「Mobile Notetaker」です。
営業現場では、「CRMに入力してもらうにはどうすればよいか」が、よく課題になります。入力を補助するプレイブックを用意しても、商談後に内容を整理して記入する手間は残ります。
Mobile Notetakerは、スマートフォンアプリで稼働し、例えば机に上に置いておきます。その商談で話した内容を記録する作業を支援するものです。これ自体はよくある機能ですが、講演では、そこからCRMの更新、上司への報告、提案資料などの作成までを、Breezeアシスタントを通じて進める流れがデモで紹介されました。
商談の記録を、ただ残すだけではなく、その後の報告や資料作成にも使えるようにする。入力をお願いするだけでなく、営業担当者の作業そのものを減らせる点に期待しています。
なお、Mobile Notetaker単体の機能と、Breezeアシスタントなどを組み合わせた機能は、分けて確認する必要があります。実際にどこまで自動化できるかは、利用プランや設定も含めて検証したいと考えています。
※機能に関して、2026年9月時点ではベータ版提供の可能性があります。
基調講演開始直前に投影されていたQRコード経由で答えたアンケート(20問以上あった!)を使って、講演の最後に参加者向けのクイズが行われました。
設問内4択のうち、最も回答の多かった選択肢を選んでいた人だけが立ったまま残る、というルールです。
ところが、3問ほどで会場のほとんどの人が着席していました。自分と同じ回答が多いだろうと思っていても、意外とそうではない。参加者の考え方の違いが見えて、不思議な締めくくりでした。
今回の基調講演で印象に残ったのは、「AIを使っているか」だけでなく、「何をもとにAIを動かし、どのような成果につなげるか」が問われていたことです。
コンテンツ作成や調査を速くするだけでは、同じツールを使う企業との差はつきにくい。自社の強みや顧客の状況をAIが把握できるようにする。そのために、CRMに蓄積する情報と、その使い方を見直す必要があると感じました。
私自身も、今回の発表内容を支援先の業務にどう当てはめられるかを考えています。まずは、次の3点を確認していく予定です。
新機能を試すことと、その機能が参照する情報を整えること。この両方を、今後の支援でも進めていきたいと思います。
UNBOUNDの他ブースや展示エリア、会場全体の様子については、別の記事でお届けします。
SCデジタルでは、B2Bマーケティングの観点よりHubSpotの導入・設計・運用を支援しています。AIの活用を見据えたCRMの設計・運用についても、ぜひご相談ください。
https://www.scdigital.co.jp/services/
鹿島 麻里
HubSpotを中心に、B2Bマーケティングの戦略・実装を担当しています。 2021年より HubSpot Community Champion。